オフィスチェアの耐荷重は何kg?6ブランド23の公表値は80〜200kg
オフィスチェア6ブランド23通りの「耐荷重」くらべ
- 公式ページで確認できた耐荷重は80kg〜200kg。同じ価格帯の中でも2倍以上ひらいた
- 耐荷重をkgで公表しているのは通販ブランドとゲーミングブランド。オカムラ・コクヨ・イトーキ・エルゴヒューマンは数字を出さず、規格の認証名で答えている
- 表記は耐荷重・座面耐荷重・総耐荷重・荷重制限・推奨身長とバラバラで、そのままでは横に並べられない
オフィスチェアの耐荷重をメーカー公式ページで調べたところ、確認できた数字は80kgから200kgでした。6ブランド23通りの公表値を集めた結果です。
そして調べていて先に分かったのは、数字そのものより「どこが数字を出しているか」のほうでした。耐荷重をkgで公表しているのは、通販ブランドとゲーミングブランドのほうでした。オカムラ・コクヨ・イトーキ・エルゴヒューマンの公式ページには、耐荷重のkg表示が見つかりません。
くまじ「まず23通りの数字を並べます。そのあとで、数字が無いメーカーの話をします」
耐荷重を公表している23通り
すべてメーカー公式ページの記載です。表記は原文のまま載せています。
| メーカー | 機種 | 公表されている表記 |
|---|---|---|
| サンワサプライ | 150-SNCM001 | 耐荷重 200kg |
| サンワサプライ | 150-SNCL21 | 耐荷重 約200kg |
| ハーマンミラー | アーロンチェア サイズB・C | 体重最大159kgの方におすすめ |
| AKRacing | Premium | 荷重制限 150kg |
| AKRacing | Wolf | 荷重制限 150Kg |
| AKRacing | Overture | 荷重制限 150Kg |
| AKRacing | 極坐 V2 | 荷重制限 150Kg |
| サンワサプライ | 150-SNC130GY | 耐荷重 約150kg |
| サンワサプライ | 150-SNCL022 | 耐荷重 約150kg |
| GTRacing | GT-BEE | 耐荷重136kg |
| ハーマンミラー | アーロンチェア サイズA | 体重最大135kgの方におすすめ |
| サンワサプライ | 150-SNCM016 | 座面耐荷重 約130kg |
| サンワサプライ | SNC-NET20BK | 総耐荷重 約120kg |
| アイリスオーヤマ | OFC-MBHR | 耐荷重(約) 120kg |
| アイリスオーヤマ | OFC-MBR | 耐荷重(約) 110kg |
| アイリスオーヤマ | RWC-520 | 耐荷重(約) 100kg |
| サンワサプライ | 150-SNC134 | 耐荷重 約100kg |
| Bauhutte | G-530 | 耐荷重 約100kg |
| Bauhutte | G-550 | 耐荷重 約100kg |
| Bauhutte | G-551 | 耐荷重 100kg |
| Bauhutte | G-570 | 耐荷重 約100kg |
| サンワサプライ | 150-SNC097 | 耐荷重 80kg |
| サンワサプライ | 150-SNC121 | 耐荷重は、約80kgです |
上と下で2.5倍ひらきました。しかもこの幅は価格帯とは対応していません。サンワサプライの150-SNC121(36,800円)は80kg、同じサンワサプライの150-SNCM001(36,800円)は200kgです。同じメーカー・同じ価格で2.5倍違います。
150-SNC121はオットマン付きの160度リクライニングチェア、150-SNCM001は「大柄の方OK」をうたった高耐荷重メッシュチェアです。用途が違えば数字も違う、というだけの話でした。値段からは読めません。
「耐荷重」という言葉が5種類ある
表の右の列をもう一度見てください。同じことを聞いているのに、返ってくる言葉が揃っていません。
| 表記 | 使っているメーカー |
|---|---|
| 耐荷重 | サンワサプライ、アイリスオーヤマ、Bauhutte、GTRacing |
| 座面耐荷重 | サンワサプライ(150-SNCM016) |
| 総耐荷重 | サンワサプライ(SNC-NET20BK) |
| 荷重制限 | AKRacing |
| 体重最大◯kgの方におすすめ | ハーマンミラー |
同じサンワサプライの中ですら「耐荷重」「座面耐荷重」「総耐荷重」の3通りが混ざっています。どこにかかる荷重なのか、座面だけなのか全体なのかは、言葉が違う以上そのまま同じ数字として並べられません。この3つの違いを説明したページは、今回見た範囲では見つかりませんでした。
ハーマンミラーの書き方はさらに性質が違います。アーロンチェアのページは「体重最大159kgの方におすすめです」で、上限の宣言ではなく推奨の言い方です。同じページにサイズ別の推奨身長も併記されていて、サイズAが約142〜163cm、サイズBが約157〜183cm、サイズCが約178〜198cmとなっています。体重と身長の両方でサイズを選ばせる作りです。
ゲーミングチェアは体重より身長で答える
Bauhutteは4機種すべて耐荷重100kgで横並びでした。そのかわり、機種ごとに違うのは推奨身長のほうです。
| 機種 | 耐荷重 | 推奨身長・対象身長 |
|---|---|---|
| G-530 | 約100kg | 推奨身長154〜177cm |
| G-550 | 約100kg | 対象身長154〜189cm |
| G-551 | 100kg | 推奨身長154〜182cm |
G-530のページには「推奨身長は座部クッションの沈み込みを考慮したうえで算出」という注記があります。座面高から、座ったときに沈む分を引いて、足が床に届く身長を逆算した数字ということです。壊れるかどうかの話ではなく、足が届くかどうかの話をしています。
耐荷重と推奨身長は、別のことを測った別の数字です。100kgという数字が4機種で同じなのは、体格の対応幅が4機種とも同じという意味ではなく、単に部材が共通なのだと読むほうが近そうです。
上位帯は、数字ではなく規格名で答える
ここからが今回いちばん引っかかった部分です。国内オフィス家具の上位帯には、耐荷重のkg表示が見当たりませんでした。
- オカムラ:シルフィーの製品ページ、コンテッサ セコンダの製品ページとも耐荷重の記載なし。FAQの「オフィス家具の安全性と保証期間」には「当社は一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)の『オフィス家具-製品安全基準のガイドライン』に基づいた安全な製品を提供しております」とあります。コンテッサ セコンダのページには「『BIFMA X5.1-2017』の認証を取得しています」と書かれていますが、kgの数字は出てきません。
- コクヨ:イングの取扱説明書PDFを全文検索しても、体重制限・耐荷重の記述はありませんでした。体重に触れているのは「イスの背、座、肘などイスの1点に体重をかけないでください」という注意書きだけです。
- イトーキ:スピーナチェアのカタログページに仕様表が表示されず、耐荷重の有無を確認できませんでした。
- エルゴヒューマン:PRO2 Ottomanの仕様表の項目は製品名称・サイズ・肘の高さ・座面の高さ・重量の5つだけで、耐荷重の欄がありません。公式FAQにも耐荷重の質問はありませんでした。
つまり「上位帯は耐荷重が高い」でも「低い」でもなく、そもそも答えていません。オカムラの答え方は「JOIFAのガイドラインに基づいている」「BIFMAの認証を取っている」という、規格に合格しているという言い方です。
くまじ「数字が無いのは、隠しているのとは違うようです。何を測ったかを見ると、そもそもkgで答える設計になっていない」
「950N」は体重の数字ではない
JOIFAの「安心・安全なイスの選び方」に、イスの試験基準が数字で載っています。
| 試験 | 荷重とサイクル数 |
|---|---|
| 座面背もたれの耐久性試験 | 座 950N×5万サイクル、背 330N×5万サイクル |
| 座面及び背もたれの静的強度試験 | 座 1300N×10サイクル、背 560N×10サイクル |
| 座面の耐衝撃性試験 | 落下高さ 180mm(折り畳みイスは140mm) |
| 肘付イスの側方安定性試験 | 座垂直 250N、肘垂直 350N、水平力20N |
同じページに「1㎏=9.8N」と換算が書いてあります。それに従うと座面の耐久性試験の950Nは約97kg分、静的強度試験の1300Nは約133kg分の力です。5万サイクルは「1日25回の着座で1年250日使用して、8年に相当」とされています。
ここが読み違えやすいところです。950Nは「97kgの人まで座ってよい」という意味ではなく、試験でかける力の大きさです。測っているのは、その力を5万回かけても壊れないかどうかです。体重97kgの人が実際に座ったときにかかる力は、座り方や勢いで950Nを上回ることも下回ることもあります。この換算で自分の体重の可否を判断する読み方は、規格の測っているものとずれます。
AKRacingは自社ページに、JIS S 1203:1998の耐久性試験5万回、JIS S 1062:1995の繰り返し衝撃試験8,000回、JIS S 1052:1994のへたり試験4,000回をクリアしたと書いています。JIS S 1203:1998の正式名称は「家具―いす及びスツール―強度と耐久性の試験方法」で、日本規格協会の書誌によると「あらゆる種類のいす及びスツールの強度及び耐久性を評価するための試験方法について規定」した規格です。中身の試験値までは、規格本文を読んでいないので書けません。
サンワサプライは「ANSI(米国国家規格協会)BIFMA強度基準に基づく複数の厳しい品質基準をクリアしました」と表示し、150-SNCM001については「通常基準の1.5倍の強度テストをクリアした部材を使用」としています。基準の何倍という言い方で、基準そのものの数字は出していません。
150kgという数字の出どころ
AKRacingの4シリーズがそろって150kgなのには、はっきりした理由が書いてありました。仕様表の「荷重制限 150kg」と、製品説明の次の文が同じ数字です。
> 国際的第三者認証機関であるLGAよりDIN 4550の基準をクリアしているとの承認を受けた、耐久性が高く、安心・安全な製品です。(最大荷重150kg)
これはガスシリンダーの説明です。つまりチェア全体を測った150kgではなく、昇降部品の最大荷重が150kgで、それが機種の荷重制限としてそのまま出ています。Overtureシリーズの説明にも「最大耐荷重150kgのDIN規格Class4ガスシリンダー」とあります。
部品の等級がチェアの上限を決めている、という構造です。サンワサプライの150-SNC130GYのページにも「国際的なJIS規格とDIN 4550の基準を満たしている」との記述があり、同じ系統の書き方でした。
上限を超えたときの保証は、どこにも書かれていない
耐荷重が公表されていれば、次に気になるのは「超えたらどうなるか」です。ここは空振りでした。体重が上限を超えた場合に保証がどう扱われるかを明記した公式ページは、今回見た範囲では1つも見つかりませんでした。
見つかったのは保証期間だけです。
| メーカー | 保証期間の公式表示 |
|---|---|
| ハーマンミラー | アーロンチェアは12年間の製品保証 |
| AKRacing | 5年保証(一部部品は対象外) |
| オカムラ | 外装・表面仕上げ1年、機構部・可動部2年、構造体3年(一部製品は構造体8年) |
| サンワサプライ | ご購入日より6ヶ月 |
| アイリスオーヤマ | 各製品ページに記載を確認できず |
ハーマンミラーの国際保証規定PDFを全文検索しても、体重・重量に関する除外規定は出てきませんでした。保証が及ばないものとして挙がっているのは、正規販売店以外での購入、取扱説明書に従わない使用、工場研修を受けていない者による設置・保守などで、使用者の体重は書かれていません。
保証期間の幅は6ヶ月から12年で、24倍あります。耐荷重の幅(2.5倍)よりずっと大きい差です。体格を理由に丈夫さを気にしているなら、耐荷重のkgより保証年数のほうが情報量があります。
結論:耐荷重は、比べる数字ではなく足切りの数字
今回の23通りを並べて言えることは3つです。
1. 耐荷重の公表値は80〜200kg。自分の体重に対して余裕があるかを見る使い方はできます。
2. メーカーをまたいで「200kgのほうが150kgより丈夫」と読むことはできません。耐荷重・座面耐荷重・総耐荷重・荷重制限で測っているものが揃っておらず、AKRacingのようにガスシリンダー部品の等級がそのまま出ている場合もあります。
3. 耐荷重が書いていないメーカーを候補から外す理由にはなりません。オカムラはJOIFAガイドラインとBIFMA X5.1-2017で答えており、kg表示が無いことは基準を通っていないことを意味しません。
体格が大きめで不安があるなら、順番はこうなります。まず耐荷重を公表している機種から、自分の体重に余裕がある数字のものを候補にする。公表していないメーカーを検討するなら、kgを探すのではなく保証年数と構造体の保証区分を見る。この2つのほうが、公式ページから読み取れる情報としては確かでした。
この記事が合わないのは、「自分の体重なら何年使えるか」を知りたい人です。耐荷重は年数の数字ではなく、耐久性試験のサイクル数も「1日25回・年250日で8年相当」という試験上の想定であって、特定の体重の人の寿命を示すものではありません。そこは今回の調べ方では出せませんでした。
→ 身長150cm台で足が床に届くオフィスチェアは?売れ筋6つを比較した
調査・編集:チェア図鑑編集部。くまじは記事の案内役のキャラクターです(実在の人物ではありません)。
この記事の調べ方と、分からないこと
数字は2026年8月3日に、各メーカーの公式サイトから集めました。サンワサプライ(サンワダイレクト)、アイリスオーヤマ、Bauhutte、AKRacing、GTRacing、ハーマンミラーの6ブランド23通りの公表値です。実機を測ったものではなく、公式ページに書かれている値をそのまま転記しています。表記の揺れ(耐荷重/座面耐荷重/総耐荷重/荷重制限)も、まとめずに原文のまま載せました。
耐荷重が公表されていないことの確認は、オカムラ(シルフィー製品ページ、コンテッサ セコンダ製品ページ、チェアFAQ)、コクヨ(イング取扱説明書PDFの全文検索)、エルゴヒューマン(PRO2 Ottoman仕様表、公式FAQ)で行いました。「見つからなかった」であって「存在しない」の証明ではありません。カタログPDFや販売店経由の資料に記載がある可能性は残ります。
規格については、読んだ範囲だけ書いています。JOIFAの「安心・安全なイスの選び方」に載っている試験荷重とサイクル数、および同ページの換算(1㎏=9.8N)は原文どおりです。JIS S 1203:1998の正式名称と適用範囲は日本規格協会の書誌ページから取りました。JIS規格本文、BIFMA X5.1-2017の本文、DIN 4550の本文はいずれも読んでいないので、試験の中身や合否の判定方法については書いていません。AKRacingとサンワサプライの試験に関する記述は、各社が自社ページで主張している内容としてそのまま引用しています。
限界も書いておきます。ニトリの商品ページとワークチェア比較一覧表は、ページの中身が読み込み後に生成される作りで機械から読み取れず、今回は入っていません。イトーキはカタログページに仕様表が表示されず、耐荷重の有無を確認できませんでした。AKRacingの公式ストアは通常の取得ができず、別の方法でページを開いて確認しています。アイリスオーヤマのレザーチェア(OFC-LE)は、基本仕様の欄が座面高さと付属品だけで耐荷重の項目そのものがありませんでした。実売価格の比較は行っていません。そして本文に書いたとおり、体重が上限を超えたときの保証の扱いは、どのメーカーの公式ページにも見つかりませんでした。