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チェア図鑑
オフィスチェアの「仕様の細部」がわかる比較図鑑

椅子のガスシリンダー|規格名まで書いていたのは17機種中1機種

くまじのアイコン書き手: くまじ(クマ) 初版: 2026年9月7日 / 最終更新: 2026年9月7日

図鑑 No.026

オフィスチェア10ブランド17機種のガスシリンダー

  • ガスシリンダーの規格を製品ページに書いていたのは17機種中3機種。規格名(DIN 4550)と認証機関まで出していたのはAKRacing PINONの1機種だけで、COFOの2機種は「クラス4(最高位)」とだけ書いています
  • SGマークは付けようがありませんでした。製品安全協会のSG基準の品目一覧に、回転いす・オフィスチェアが入っていないためです(座いす・乳幼児用いすはあります)
  • 昇降幅をmm・cmで書いていたのは17機種中2機種だけ。残りは座面高の上下差から自分で引き算する形で、差は50mmから203mmまで開きました
昇降しなくなる不具合が心配な人椅子の看板の保証年数が昇降機構にも効くのか確かめたい人机に合わせて座面をどれだけ上下できるか知りたい人座り心地や見た目で椅子を選びたい人(この記事は公式ページの書きぶりの話だけです)ガスシリンダーを自分で交換したい人(部品として売られていませんでした)

この記事で比べた商品

AKRacing PINONの商品画像

AKRacing PINON

規格名・認証機関・最大荷重まで書いている唯一の機種

¥45,211 楽天・2026年8月17日確認

  • 「CLASS4ガスシリンダー」の項目に、DIN 4550・LGAによる認証・最大荷重150kg・型番まで書かれている
  • 保証は5年で、今回の17機種の中でいちばん長い
  • 上下の差65mmは今回の下から3番目で、机に合わせて動かせる幅は狭い
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イトーキ サリダ YL9の商品画像

イトーキ サリダ YL9

昇降幅90mmを数字で書いている2機種の1つ

¥39,990 楽天・2026年9月7日確認

  • 「90mm座面上下昇降」と昇降幅そのものを書いている。座面高425〜515mmの差とも一致する
  • 保証は最大3年で、外観1年・機構部2年・構造材3年と部位ごとに分かれている
  • シリンダー単体の規格・等級の記載は見つけられなかった
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ハーマンミラー アーロンAの商品画像

ハーマンミラー アーロンA

上下差は広いほう。ただしシリンダーだけ2年

¥268,400 楽天・2026年9月7日確認

  • 座面高366〜490mmで上下差124mm。今回の17機種で広いほうから4番目
  • いす本体の保証は12年で、9社を横断した[保証の記事](/articles/chair-warranty-years.html)でも最長だった
  • ガス圧シリンダーだけ保証2年。12年という数字はこの部品には効かない
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サンワダイレクト 150-SNC097の商品画像

サンワダイレクト 150-SNC097

上下差100mm。保証は1年

¥29,580 楽天・2026年9月7日確認

  • 座面高425〜525mmで上下差100mm。国内メーカーの上位機と同じ幅がある
  • 「この製品の品質は、ANSI(米国規格)BIFMA規格に準拠した、信頼の品質基準をクリアしております」と書かれている
  • 保証は1年ユーザー保証で、部位ごとの区分は無い
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椅子で最初に壊れる場所は、たいてい座面の下の筒です。座面がじわじわ下がって戻らなくなる、あれ。中身はガスシリンダー(ガススプリング)という昇降の部品です。

では、その部品が何の規格に通っているのか。壊れたとき何年まで保証されるのか。どれだけ上下できるのか。オフィスチェアとゲーミングチェア、10ブランド17機種の公式ページを1つずつ開いて、書かれていることをそのまま写しました(2026年9月7日確認)。

くまじ「いちばん先に壊れる部品なのに、そこだけ情報が薄いという結果でした」

先に結論——規格名まで書いていたのは17機種中1機種

3行で書きます。

1. ガスシリンダーの規格に触れていたのは17機種中3機種。うち規格の名前(DIN 4550)と認証機関(LGA)まで出していたのはAKRacing PINONの1機種だけでした。COFOの2機種は「シリンダー:クラス4(最高位)」とだけ書いていて、何のクラス4かは書かれていません

2. SGマークは、探しても見つからないのが正解でした。製品安全協会のSG基準の対象品目一覧に、回転いす・オフィスチェアという品目が入っていないからです(「座いす」「乳幼児用いす」はあります)

3. 昇降幅を数字で書いていたのは17機種中2機種(イトーキ サリダ YL9の90mm、Bauhutte G-570の12cm)。残りは座面高の上下差から自分で引き算します。差は50mmから203mmまで開きました

SGマークは、そもそもオフィスチェアの品目に無い

調べはじめに立てた問いは「ガスシリンダーにSGマークは付いているか」でした。SGマークは製品安全協会が安全基準への適合を認めた製品に表示するもので、事故が起きたときの賠償措置まで付いています。

結果は17機種すべてで表記なし。ただしこれは「メーカーが取っていない」という話ではありませんでした。制度の対象品目に、回転いす・オフィスチェアが入っていないからです。

製品安全協会の対象製品一覧にあるいす類は、「0054 乳幼児用いす」「0063 座いす」「0074 簡易腰掛け便座」「0129 入浴用いす」でした。脚にキャスターが付いて座面が昇降する事務用のいすは、この一覧に見当たりません。SGマークが無いことを減点材料にはできない、というのがまず1つ目の答えです。

代わりに製品ページへ出てくる規格名は3種類ありました。

規格の名前出していたブランド何を指しているか
DIN 4550(ドイツの規格・クラス4)AKRacingガスシリンダー単体の等級
クラス4(最高位)COFOシリンダーの等級。もとの規格名の記載なし
ANSI/BIFMAイトーキ、サンワダイレクトいす全体の試験。シリンダー単体の話ではない

ここは読み分けが要ります。BIFMAはいす全体を試験する米国の基準で、ガスシリンダーだけを測ったものではありません。イトーキが「世界標準の品質基準規格(BIFMA規格)の基準をクリアしています」と書き、サンワダイレクトが「この製品の品質は、ANSI(米国規格)BIFMA規格に準拠した、信頼の品質基準をクリアしております」と書いているのは、いす1脚としての合格です。

一方、AKRacingの書き方は部品の話でした。PINONのページには「CLASS4ガスシリンダー」の項目があり、国際的第三者機関であるLGAからDIN 4550の基準をクリアしているとの認証を受けた、最大荷重150kg、短尺シリンダー(AKR-GAS-CYLINDER/SHORT-Q05)を採用、と書かれています。等級・規格名・認証機関・最大荷重・型番まで揃っているのは、今回の17機種でここだけでした。

なお、この150kgという数字がいす全体の耐荷重ではなくシリンダー部品の値であることは、耐荷重を調べた記事でも同じ結論になっています。

17機種の一覧

座面高は公式ページの表記そのままです。「上下の差」は、その最大値から最小値を引いた計算値で、メーカーが昇降幅として公表している数字ではありません(2機種だけ例外があり、後の節で突き合わせます)。

機種座面高(公式表記)上下の差シリンダーの規格表記昇降機構の保証
ハーマンミラー アーロン Bサイズ376〜579mm203mmなし2年(いす本体は12年)
ハーマンミラー アーロン Cサイズ401〜579mm178mmなし2年(いす本体は12年)
ハーマンミラー アーロン Aサイズ366〜490mm124mmなし2年(いす本体は12年)
Bauhutte G-570440〜560mm120mmなし(材質「金属(スチール)」のみ)1年
オカムラ シルフィー C68AXR FMP1420〜520mm100mmなし2年(可動部)
サンワダイレクト 150-SNC097425〜525mm100mmANSI/BIFMA(いす全体)1年
サンワダイレクト 150-SNCL020470〜570mm100mmBIFMA(いす全体)6ヶ月
オカムラ CG-M CG91ZR FK4A385〜477mm92mmなし2年(可動部)
コクヨ ing 可動肘425〜515mm90mm「ガス圧昇降式」の方式名のみ2年(機構部・可動部)
コクヨ ミトラ2 可動肘415〜505mm90mm「ガス圧昇降式」の方式名のみ2年(機構部・可動部)
イトーキ サリダ YL9425〜515mm90mm(公式が明記BIFMA(いす全体)2年(機構部・可動部)
エルゴヒューマン PRO2 High455〜540mm85mmなし2年(機構部・可動部)
COFO Chair Lite450〜530mm80mmクラス4(最高位)3年(部位の区分なし)
Bauhutte G-550395〜470mm75mmなし(材質「金属(スチール)」のみ)1年
AKRacing PINON315〜380mm65mmDIN 4550・クラス4・LGA認証・最大荷重150kg5年(一部部品は対象外)
COFO Chair Pro 2450〜510mm60mmクラス4(最高位)3年(部位の区分なし)
Bauhutte G-350460〜515mm55mmなし(材質「金属(スチール)」のみ)1年
Bauhutte G-530400〜450mm50mmなし(材質「金属(スチール)」のみ)1年
GTRACING GT002記載を見つけられずなし1年

アーロンチェアが3行あるのはサイズごとに数字が違うためで、いすとしては1機種として数えています。AKRacing PINONの315〜380mmはスカイブルーとホワイトの数字で、桜ピンクだけ300〜365mmと別に書かれていました(差はどちらも65mm)。

上から下まで通して見ると、規格の記載が濃い機種と、昇降幅が広い機種は別のグループでした。規格名まで書いているAKRacing PINONの上下差は65mmで、今回の下から3番目です。

昇降幅を数字で書いていたのは2機種

上の表の「上下の差」は編集部の引き算です。この引き算が昇降幅として妥当なのかは、メーカーが両方を書いてくれている機種で確かめられます。今回、それができたのが2機種でした。

機種公式の昇降幅座面高の上下差(編集部の計算)一致したか
イトーキ サリダ YL990mm(「90mm座面上下昇降」)425〜515mm=90mm一致
Bauhutte G-57012cm(「昇降幅:12cm」)440〜560mm=120mm一致

2機種とも、公表された昇降幅と座面高の上下差はぴったり同じでした。だから残りの15機種でも、座面高の上下差をそのまま昇降幅として読んでよさそうです。ただし2機種で確かめただけなので、全機種でそうだと言い切ってはいません。

Bauhutte G-570のページには「一般的なチェアの約1.6倍もの昇降幅:12cmを実現する」という説明があり、ロングストロークシリンダーという名前も付いています。同じBauhutteでもG-530は400〜450mmの50mmで、社内でいちばん狭い側です。同じブランドでも機種によって2.4倍違う、という結果になりました。

50mmと120mmの違いは、机の高さに合わせられる幅の違いです。天板70cmの机に合わせて座面を上げ、床に足を着けたいときに下げる、といった行き来をするなら、上下差の欄は見ておく価値があります。座面の低さそのものを探している人は、座面が低いいすを19種類調べた記事のほうが早いはずです。

4機種を1つずつ見ていく

AKRacing PINON|規格名・認証機関・最大荷重まで書いている唯一の機種

AKRacing PINONの商品画像(楽天市場)出典:楽天市場(画像クリックで商品ページへ)

ここがいい
  • 「CLASS4ガスシリンダー」の項目に、DIN 4550・LGAによる認証・最大荷重150kg・型番まで書かれている
  • 保証は5年で、今回の17機種の中でいちばん長い
  • 座面高315〜380mmは今回の17機種でいちばん低い側
ここが気になる
  • 上下の差65mmは今回の下から3番目で、机に合わせて動かせる幅は狭い
  • 5年保証には「一部部品に関しては5年保証の対象外」という但し書きがあり、シリンダーが入るかどうかを読み取れなかった

Amazonで同じ型番を探す楽天市場で見る ¥45,211(2026年8月17日確認)

イトーキ サリダ YL9|昇降幅90mmを数字で書いている2機種の1つ

イトーキ サリダ YL9の商品画像(楽天市場)出典:楽天市場(画像クリックで商品ページへ)

ここがいい
  • 「90mm座面上下昇降」と昇降幅そのものを書いている。座面高425〜515mmの差とも一致する
  • 保証は最大3年で、外観1年・機構部2年・構造材3年と部位ごとに分かれている
  • 「世界標準の品質基準規格(BIFMA規格)の基準をクリアしています」と、いす全体の試験にも触れている
ここが気になる
  • シリンダー単体の規格・等級の記載は見つけられなかった
  • 昇降機構は3年ではなく機構部の2年側に入る

Amazonで探す楽天市場で見る ¥39,990(2026年9月7日確認)

ハーマンミラー アーロンA|上下差は広いほう。ただしシリンダーだけ2年

アーロンチェア リマスタード Aサイズの商品画像(楽天市場)出典:楽天市場(画像クリックで商品ページへ)

ここがいい
  • 座面高366〜490mmで上下差124mm。今回の17機種で広いほうから4番目
  • いす本体の保証は12年で、9社を横断した[保証の記事](/articles/chair-warranty-years.html)でも最長だった
ここが気になる
  • ガス圧シリンダーだけ保証2年。12年という数字はこの部品には効かない
  • 仕様ページにシリンダーの等級・規格・ストロークの記載がない

サンワダイレクト 150-SNC097|上下差100mm。保証は1年

サンワダイレクト 150-SNC097の商品画像(楽天市場)出典:楽天市場(画像クリックで商品ページへ)

ここがいい
  • 座面高425〜525mmで上下差100mm。国内メーカーの上位機と同じ幅がある
  • 「この製品の品質は、ANSI(米国規格)BIFMA規格に準拠した、信頼の品質基準をクリアしております」と書かれている
ここが気になる
  • 保証は1年ユーザー保証で、部位ごとの区分は無い
  • 同じサンワダイレクトでも150-SNCL020は保証期間6ヶ月と書かれていて、ブランド内でそろっていない

Amazonで探す楽天市場で見る ¥29,580(2026年9月7日確認)

Bauhutte G-570は、楽天市場で型番の一致する出品を今回の記事用に確認していないため、商品ボタンを付けていません。公式ページの数字だけを扱っています。

保証の年数は、いすの看板とシリンダーで別

昇降機構がいつまで守られるかは、いすの表紙に出ている年数とは別に決まっていました。

ブランドいすの看板の年数昇降機構に効く年数
ハーマンミラー12年2年(ガス圧シリンダー)
コクヨ3年もしくは10年(構造体)2年(機構部・可動部)
オカムラ3年(対象製品は8年・構造体)2年(可動部)
イトーキ最大3年2年(機構部・可動部)
エルゴヒューマン5年(構造体)2年(機構部・可動部)
COFO3年3年(部位の区分なし)
AKRacing5年5年(ただし一部部品は対象外)
Bauhutte1年1年
サンワダイレクト1年/6ヶ月(機種による)同じ

国内のオフィス家具メーカーが2年でそろっているのは偶然ではありません。日本オフィス家具協会(JOIFA)の保証のページに、外観・表面仕上は1年、機構部・可動部は2年、構造体は3年という区分があり、可動部の説明として「錠前 昇降機構等の故障」と書かれています。昇降機構は、名指しで2年の側なのです。

コクヨは同じページで、10年保証は週40時間(週5日として1日8時間)の労働時間を想定したもので、24時間体制の執務や年中無休の業務を前提とした年数ではない、とも書いています。エルゴヒューマンも2年の区分の説明を「スライド機構・昇降機構などの故障」としていて、言い回しまで似ています。

つまり、12年・10年・8年という大きな数字を見て買っても、座面が下がる不具合に効くのは2年です。ここは値段に関係ありませんでした。20万円のいすも4万円のいすも、昇降機構の年数は2年前後で並びます。

そして、昇降しなくなったときにシリンダーを自分で買って替えることはできませんでした。部品の供給を7社で調べた記事のとおり、ガス圧シリンダーを部品として一般向けに売っているページは見つからず、修理を頼む扱いです。コクヨは、ガススプリング形式の主軸を外すには専門的な技術や専用工具が要ると書いています。

よくある質問

Q. オフィスチェアのガスシリンダーにSGマークは付いていますか?

今回の17機種では表記が見つかりませんでした。理由は、製品安全協会のSG基準の対象品目一覧に回転いす・オフィスチェアという品目が入っていないためです。一覧にあるいす類は「0054 乳幼児用いす」「0063 座いす」「0074 簡易腰掛け便座」「0129 入浴用いす」でした。SGマークが無いことを、そのいすが基準を通っていない証拠として読むことはできません。

Q. ガスシリンダーの「クラス4」とは何ですか?

AKRacingの説明では、ドイツの規格DIN 4550の基準をクリアしていると国際的第三者機関のLGAから認証を受けた等級で、最大荷重150kgと書かれています。COFOも「シリンダー:クラス4(最高位)」と表示していますが、どの規格のクラス4なのかは公式ページに書かれていませんでした。同じ「クラス4」でも、根拠まで確かめられるのは今回はAKRacingだけです。

Q. BIFMA規格に通っていれば、シリンダーも安心ですか?

BIFMAはいす全体の試験です。イトーキやサンワダイレクトが書いている「BIFMA規格の基準をクリア」は1脚としての合格で、ガスシリンダー単体の等級を示すものではありません。部品の等級を知りたい場合は、クラス表記やDINなどの規格名が別に書かれているかを見ることになります。

Q. 昇降幅(ストローク)はどこを見れば分かりますか?

数字で書いてある機種はほとんどありませんでした。17機種のうち、昇降幅そのものを書いていたのはイトーキ サリダ YL9の90mmとBauhutte G-570の12cmの2機種だけです。残りは仕様表の座面高の上下差を引き算します。この2機種では公表の昇降幅と上下差が一致したので、引き算で読んでよさそうでした。今回の17機種の差は50mm(Bauhutte G-530)から203mm(アーロン Bサイズ)まで開きます。

Q. 12年保証のいすなら、座面が下がる不具合も12年守られますか?

いいえ。ハーマンミラーの保証の一覧では、いす本体が12年でもガス圧シリンダーは2年です。国内メーカーも、JOIFAの区分に沿って昇降機構を「機構部・可動部」の2年側に入れています。長い年数が付くのは構造体で、日常でいちばん先に不調が出る昇降部分はそこに入りません。

Q. ガスシリンダーは自分で交換できますか?

今回見た範囲では、部品として一般向けに売っているページが見つかりませんでした。コクヨはガススプリング形式の主軸を外すには専門的な技術や専用工具が要ると書いています。昇降しなくなったいすは、部品を買うのではなく修理を頼む形になります。

結論——ガスシリンダーで選ぶなら

今回の17機種から言えることを3つ。

1. 規格の記載を判断材料にできる機種は少ない。規格名と認証機関まで出しているのはAKRacing PINONの1機種、等級だけの表示がCOFOの2機種、残りの14機種は材質や方式の記載までです

2. SGマークの有無で選び分けることはできない。回転いすが制度の対象品目に入っていないため、17機種すべてで表記なしという結果は、優劣ではなく制度の形からきています

3. 昇降機構の保証はおおむね2年。いすの看板が12年でも10年でも、座面が下がる不具合に効くのは2年前後で、値段との相関は見えませんでした

だから買う前に見る欄は、規格のバッジではなく座面高の上下差保証の部位別の区分の2つになります。前者は机の高さに合わせられるか、後者は5年目に自腹になるかどうかの話です。

この記事が向かないのは、座り心地や見た目でいすを選びたい人です。ここで扱ったのは公式ページの書きぶりだけで、実際の耐久性を測ったものではありません。編集部はいずれの機種も実機を持っておらず、公開資料を読んだ結果を並べています。ガスシリンダーを自分で交換したい人にも向きません。今回の範囲では、部品として売られていませんでした。

まとめ

規格の根拠まで確かめたいならAKRacing PINON(DIN 4550・クラス4・LGA認証)。昇降幅を数字で確かめたいならイトーキ サリダ YL9(90mm)かBauhutte G-570(12cm)。上下に大きく動かしたいならハーマンミラー アーロン(Bサイズで203mm)。ただしどれを選んでも、昇降機構の保証は2年前後だと思っておくのが実際に近いはずです。

商品リンクはAmazon・楽天市場です。商品写真は楽天市場の出品画像で、写真を押すとその商品ページが開きます。ボタンの価格は2026年9月7日(AKRacing PINONのみ2026年8月17日)に確認した楽天市場の表示で、変わることがあります。Bauhutte G-570・COFO・コクヨ・オカムラの各機種は、この記事では商品ボタンを付けていません。当サイトはAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトに参加しており、リンク経由の購入で紹介料を得ることがあります。

調査・編集:チェア図鑑編集部。くまじは記事の案内役のキャラクターです(実在の人物ではありません)。

この記事の調べ方と、分からないこと

2026年9月7日に、オカムラ・コクヨ・イトーキ・エルゴヒューマン・ハーマンミラー・Bauhutte・AKRacing・COFO・サンワダイレクト・GTRACINGの10ブランド17機種について、メーカー公式の製品ページ・仕様表・保証ページを1つずつ開き、ガスシリンダー(ガススプリング)についての記載、座面高の表記、保証の区分と年数をそのまま写しました。あわせて、製品安全協会のSGマーク対象製品一覧と、日本オフィス家具協会(JOIFA)の保証のページも開いています。編集部が実機を分解してシリンダーを測ったものではなく、公開されているページの記載を読んだだけです。

表の「上下の差」は、公式の座面高の最大値から最小値を引いた計算値です。メーカーが昇降幅として公表している数字ではありません。イトーキ サリダ YL9とBauhutte G-570の2機種だけは公式に昇降幅の記載があり、いずれも上下差と一致しました。

分からなかったことを書いておきます。第一に、ハーマンミラーの仕様ページはサイズごとに座面高の幅を1つずつ載せているだけで、その幅がどのシリンダーによるものか、シリンダーの選択肢が複数あるのかまでは読み取れませんでした。Bサイズの376〜579mmという幅がとくに大きく、他社の同種の機種と比べて開いています。第二に、AKRacingの5年保証には「一部部品に関しては5年保証の対象外となります」という但し書きがあり、ガスシリンダーがそこに含まれるかどうかを公式ページから確かめられませんでした。第三に、サンワダイレクトの製品ページでは規格の表記が画像バナーの形で置かれている箇所があり、文字として正確に写せなかったものがあります。この記事では、テキストとして読めた文言だけを引用しています。第四に、GTRACING GT002は座面高の可動範囲とシリンダーの規格表記のいずれも公式ページで見つけられませんでした。第五に、各社が使っているガスシリンダーの製造元・耐久試験の回数・交換の目安年数は、今回のどのページにも書かれていませんでした。

主な出典(すべて2026年9月7日取得)
オカムラ シルフィー C68AXR FMP1
オカムラ CG-M CG91ZR FK4A
オカムラ オフィス家具の安全性と保証期間
コクヨ ing 可動肘
コクヨ ミトラ2 可動肘
コクヨ 品質保証(保証期間の区分)
イトーキ サリダ YL9
エルゴヒューマン PRO2 High
エルゴヒューマン アフターサポート(保証区分)
ハーマンミラー アーロンチェア 仕様
ハーマンミラー 保証・サービス
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Bauhutte G-550
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COFO Chair Lite
サンワダイレクト 150-SNC097
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GTRACING GT002
製品安全協会 SGマーク対象製品一覧
製品安全協会 SG基準について
JOIFA オフィス家具の保証について

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この記事の書き手: くまじ(クマ・大柄な人・耐久・耐荷重担当)
チェア図鑑の「くまじ」です。大柄な人の適合、耐荷重と保証、壊れにくさを担当します。
※この記事は公式仕様書と購入者レビューの集約分析です。編集部が実際に使った体験談ではありません。書き手一覧と分析の方法論