電動昇降デスクはどこまで下がる?21機種で70cm未満は10台だけ
電動昇降デスク21機種の「一番低い高さ」くらべ
- 昇降デスクの落とし穴は高さではなく低さ。21機種のうち、机の面が70cmより下まで下がるのは10台だけだった
- 同じ「昇降範囲」でもメーカーによって天板を含む・含まないが違い、そのままでは比べられない(差は最大4cm)
- 天板込みの実質価格で並べ直すと、一番安く低くできるのはIKEA MITTZON(62cm・46,990円)
電動昇降デスクを買うとき、多くの人は「どこまで上がるか」を見ます。立って使うための机だからです。
ところが実際に困るのは、逆の方でした。一番低くしたときに何cmになるか。ここを見ずに買うと、座っている時間の方が長いのに机が高いまま、という状態になります。
メーカー21機種の公式ページを1つずつ開いて最低の高さを書き写したところ、机の面が70cmより下まで下がるのは10台だけでした。残りの11台は、一番低くしても、よくある70cmの机とほとんど変わりません。
しゃん「値段が高いほど低くなると思っていたんですが、10万円で73.5cmまでしか下がらない机がありました」
この記事で何度も出てくる「天板(てんばん)」は、机の板の部分のことです。昇降デスクには脚だけを売っている商品があり、これが数字と値段を分かりにくくしている原因でもあります。
先に結論——低く使いたいなら、この3台
- 安く低くしたい → IKEA MITTZON 160×60(62cm・46,990円・天板込み)。今回調べた中で、70cm未満をいちばん安く実現できる。ただし耐荷重80kgは表の中で下位で、使った人からは「揺れる」という声も出ている
- 重い物を載せる・天板を選びたい → FlexiSpot E7(実質60cm・脚57,200円+天板16,500円〜)。耐荷重125kgは表の最上位クラス。使った人の声もこの機種が最多
- とにかく低く、組み立てもやりたくない → 山善 ハイエンド薄型 EHD-1070系(57cm・72,999円〜・天板込み)。表の中で最も低い。組立設置サービスが6,000〜7,000円で付けられる
3台の差は5cmと3万円ほどです。低さだけなら大差はないので、重さと組み立てをどう扱うかで選ぶことになります。
70cm未満まで下がる10台(低い順)
天板が別売りの機種は、天板の厚み2cmを足した数字で揃えています(メーカーが対応天板の条件を「厚み2cm以上」としているため)。価格も、天板別売りの機種は天板を足した実質価格を書きました。
| 機種 | 一番低い高さ | 実質価格(天板込み・税込) | 重さ | 天板の穴あけ | 組立代行 |
|---|---|---|---|---|---|
| 山善 ハイエンド薄型 EHD-1070系 | 57.0cm | 72,999円〜 | 39.5〜41.5kg | 不要 | あり(+6,000〜7,000円) |
| 山善 ハイエンド厚型 EHD-U1070系 | 58.5cm | 79,999円〜 | 43.5〜46.5kg | 不要 | あり(+7,000円) |
| FlexiSpot E7 | 60.0cm | 約73,700円〜(脚57,200+天板16,500〜) | 脚31.2kg+天板 | 一部必要 | あり(6,600円) |
| IKEA IDÅSEN 下部フレーム | 61.0cm ※ | 約99,990円(脚82,000+天板17,990) | 脚30.0kg+天板 | 公式に記載なし | 未確認 |
| FlexiSpot E8 | 62.0cm | 約69,300円〜(脚52,800+天板16,500〜) | 脚31.4kg+天板 | 一部必要 | あり(6,600円) |
| FlexiSpot E7 Pro | 62.0cm | 約68,860円〜(脚52,360+天板16,500〜) | 脚33.6kg+天板 | 一部必要 | あり(6,600円) |
| IKEA MITTZON 160×60 | 62.0cm | 46,990円 | 47.2kg | 不要 | 未確認 |
| COFO Desk Premium | 63.0cm | 85,999円〜 | 57.3〜70.5kg | 公式に記載なし | あり(+9,900円) |
| IKEA IDÅSEN 160×80 | 63.0cm | 99,990円 | 47.8kg | 公式に記載なし | 未確認 |
| FlexiSpot E7H | 65.5cm | 約80,300円〜(脚63,800+天板16,500〜) | 脚34.9kg+天板 | 公式に記載なし | 楽天公式店は組立設置無料の表記あり |
※IKEA IDÅSEN 下部フレームは、同じ公式ページの中で「59cm」(寸法欄)と「63cm」(本文)の2つが書かれていて、どちらが天板込みかの説明がありません。表では寸法欄の59cm+天板2cmで61.0cmとしています。どちらの数字でも70cm未満です。
FlexiSpotの天板は、いちばん安いメラミン120×60が16,500円、竹が17,600円、無垢材は29,800円からです(公式ショップ・2026年8月2日確認)。実質価格はこの最安値で計算しています。
残り11台(70cm以上・参考)
IKEA RODULF 140×80 70.0cm/サンワ 100-ERD051W 70.3cm/山善 スタンダード薄型 71.0cm/山善 エントリー 71.0cm/ニトリ UP006 71.0cm/FlexiSpot EF1 71.5cm/アイリスオーヤマ DST-1200 72.0cm/山善 スタンダード厚型 72.5cm/サンワ 100-ERD100BK 73.0cm/サンワ 102-ERD101WW 73.5cm/サンワ ERD-ER12070W 73.5cm
この11台は、一番低くしても70cm前後です。いま使っている机が70cmで「高い」と感じているなら、買い替えても座る側の悩みは変わりません。
値段は目安になりません
10万980円のサンワ ERD-ER12070W は73.5cmまでしか下がらず、4万6,990円のIKEA MITTZON は62cmまで下がって天板も付いてきます。倍以上の値段でも、11.5cm高いところまでしか下がりません。
同じメーカーの中でも差があります。FlexiSpotの入門機EF1(脚30,800円)は実質71.5cm、上位のE7(脚57,200円)は実質60cm。同じブランドで11cm以上違います。
メーカーによって「昇降範囲」の意味が違う
表を作っていて分かったことがあります。同じ「昇降範囲」という言葉でも、メーカーによって天板を含むか含まないかが違います。
FlexiSpotは天板が別売りなので、書いてあるのは脚だけの高さです。山善・ニトリ・IKEA・アイリスオーヤマは、天板を載せた机全体の高さを書いています。この2つをそのまま並べると、最大4cmずれます。
公式ページの中でも数字が食い違っている
- サンワ 102-ERD101WW:仕様表は「高さ73.5〜123.5cm」、同じページの特長欄は「天板の高さは約71cmから」。差2.5cmは天板の厚みです
- IKEA IDÅSEN 下部フレーム:寸法欄は「高さ(最小)59cm」、同じページの本文は「63〜127cmの間で調節できます」。差は4cmで、どちらが天板込みかの説明はありません
メーカーの数字をそのまま比べても答えは出ません。確認するのは「昇降範囲」ではなく、天板を載せた状態で机の面が何cmになるかです。
天板の穴あけが要る機種、要らない機種
意外な落とし穴がここでした。FlexiSpotの純正天板は、端の8箇所は下穴が開いていますが、中央の4箇所は自分で開ける必要があります(実際に組み立てた人の記録より)。市販の天板を使う場合は、穴あけが全部自分の作業になります。
IKEA MITTZONと山善は、天板に穴が開いた状態で届きます。MITTZONを組み立てた人は「あらかじめ穴が空いており、ボルトを締めるだけ」と書いていました。
ドリルを持っていない人は、ここが分かれ目になります。
使った人352件で、いちばん多かった不満は「重さ」
公式の数字だけでは分からない部分は、実際に使った人の声を読んで数えました。Yahoo!ショッピングの店舗レビュー324件、Yahoo!知恵袋の回答26件、個人ブログ・note16本の合計366件を本文まで読み、うち実際に使った記述のある352件を数えています。
不満の1位は「重さ」で、5人に1人が言っている
| 不満の内容 | 件数(352件のうち) |
|---|---|
| 重くて組み立て・運搬が大変 | 72件 |
| 組み立ての手間(工具・天板の穴あけ・時間) | 41件 |
| 動作不良・故障・部品の不良 | 25件 |
| 天板の継ぎ目の段差・薄さ | 15件 |
| 配線の取り回し | 12件 |
| 最低の高さが高すぎる | 12件 |
| 揺れ・ぐらつき | 8件 |
※1人が複数の不満を挙げている場合があります。
上の表の重さの列を見てください。どれも40kg前後です。米袋4つぶんを、部屋の中で起こすことになります。
「たわむ」「物が倒れる」は、ほとんど出てこない
先に思いつきそうな不満は、実際にはほとんどありませんでした。「天板がたわむ」は352件のうち1件だけ。「昇降させたときに物が倒れた」は0件でした。モーターの音も「静か」が43件に対し「うるさい」は5件で、うるさい側は安い機種とモーター1つの機種に集中していました。
組み立ては簡単。ただし最後の1工程だけが重い
「組み立てが簡単」という声は107件あって、重さの72件と矛盾していません。ネジを回す作業自体は簡単で、詰まるのは天板を付けた机をひっくり返して起こす工程です。
「組み立ては1人でできたが、最後に起こすときだけ人を呼んだ」——複数の人が、同じ場所で同じことを書いています。
組み立て時間は最短15分から最長2時間、いちばん多いのは1時間前後でした。一人暮らしで手伝いを頼めない人は、山善(6,000〜7,000円)・FlexiSpot(6,600円)・COFO(9,900円)の組立設置サービスを最初から足して予算を組んだ方が確実です。
いちばん安いMITTZONの弱点
表で最安のIKEA MITTZONについて、使った人の声を5件読みました。良い話ばかりではありません。
- 耐荷重80kgは、E7の125kgと比べると低い。使った人も「他メーカーに比べ圧倒的に少ない」と書いている
- 脚がT字型で、「キーボードを叩いていると机の上のペットボトルの水面が揺れる」という指摘がある
- 一番高くした状態では「揺らせばグラグラする」
- 組み立ては大人2人で約1時間半。「二人でやるように」と案内される
- 総評として「値段相応」「悪くはないけど、激推しするほどでもない」という声もある
モニターを何台も載せる人や、机の上で手を強く動かす人は、E7のような重い脚の機種を選んだ方が安全です。逆に、ノートパソコン中心で予算を抑えたいなら、この弱点は許容範囲だと思います。
低く使いたい人は、60cm前後を選んでいた
最低の高さに関する12件の不満を読むと、境目がはっきりしていました。
最低72〜74cmの機種では、困ったという声が出ています。タンスのゲンの100cmモデル(最低72cm・この表には入れていない機種です)に「高すぎる」と書いた人は、身長174cmの男性でした。低身長だけの問題ではない、ということです。
FlexiSpot EF1の120cmモデルには「身長175cm以下だとキーボード作業に向かない」という指摘が2件ありました。ここで注意点があります。この投稿者は最低の高さを74cmと書いていますが、上で計算したEF1は71.5cm(公式値+天板2cm)です。2.5cmずれています。 厚い天板を使えばその分だけ高くなるので、買うときは自分が載せる天板の厚みで計算し直してください。
逆に、60cm前後まで下がる機種は「低さ」そのものが買う理由になっています。FlexiSpot E7を選んだ人は「日本人女性に合うのは61〜63cm、この機種は最低60.5cm」と自分で計算していました(厚さ2.5cmの天板を想定した数字です)。E7Hを選んだ人は「63.5cm(脚だけの高さ)まで下げられ、キーボードを打つ高さまで微調整できる」。小学4年生の勉強机として、一番低い高さでちょうど良かったという声もありました。
身長から計算した机の高さの目安は、150cmで約62.5cm、155cmで約65cmです(身長150cm台の机・椅子の高さで計算式を説明しています)。
1年以上使った人の故障は、2万円前後の機種に集中していた
壊れたという報告4件は、2万円前後の安い機種に集中していて、時期は1年半から2年です。「1年半で勝手に下がるようになった」「2年で同じ症状」「半年でエラーが10回以上」といった内容でした。
一方、問題なく使い続けている証言8件は、3万円を超えるモーター2つの機種に多く、4年・7年という長さのものもありました。「1日2〜3回×4年で4,500回以上昇降させたが継続使用中」という記録もあります。ただし安い機種のサンプル数が少ないため、これで断定はできません。
まとめ——測ってから、3台のどれか
まず、いま使っている机の高さをメジャーで測ってください。それより低くしたいなら、上の10台から選ぶことになります。
- 予算を抑えて低くしたい → IKEA MITTZON(62cm・46,990円・天板込み・穴あけ不要)。揺れと耐荷重80kgは許容する
- 重い物を載せる・天板を選びたい → FlexiSpot E7(実質60cm・約73,700円〜)。中央の穴あけが必要
- 最も低く、組み立ても任せたい → 山善 ハイエンド薄型(57cm・72,999円〜・組立設置+6,000〜7,000円)
しゃん「重さの列だけは、買う前にもう一度見てください。40kgを起こす場面が、最後に待っています」
オフィス家具をまとめて見たい人は、メーカー正規品を扱う通販もあります。
机を替えられない人は、椅子と足置きで合わせる方法もあります。
→ 身長150cm台の机・椅子の高さ|70cm机で肩が上がる人の合わせ方
商品リンクはメーカー公式ページとAmazonです。価格は2026年8月2日に確認した表示で、変わることがあります。
調査・編集:チェア図鑑編集部。しゃんは記事の案内役のキャラクターです(実在の人物ではありません)。
この記事の調べ方と、分からないこと
仕様と価格は、2026年8月2日にメーカー公式ページを1つずつ開いて書き写しました(FlexiSpot・山善・ニトリ・IKEA・COFO・サンワサプライ・アイリスオーヤマ)。編集部が実際に組み立てて測ったものではありません。
使った人の声は、Yahoo!ショッピングの店舗レビュー324件(17商品ページ)、Yahoo!知恵袋26回答、個人ブログ・note・はてなブログ16記事の合計366件を本文まで読み、実使用の記述がある352件を数えました。同じ人の投稿が重なっている可能性があります。楽天市場のレビューはアクセスが拒否されて読めず、Amazonのレビューも仕組み上読めないため、この記事の根拠には入っていません。店舗レビューは届いた直後の投稿が中心で星5が大半のため、不満の件数は実際より少なく出ている前提で読んでください。
分からなかったことも書いておきます。FlexiSpotの公式サイトは機械的なアクセスを拒否しているため、価格・重量・天板の値段は楽天とYahoo!の公式ショップから取りました。保証年数は公式ページの本文が画像のため文字として確認できていません。E7 Proの重量は情報源によって33.6kgと36.8kgで食い違っています。IKEAとCOFOの天板の穴あけについては公式に記載がなく、IKEAの組立代行サービスの有無も確認していません。無印良品は公式サイトからページを取得できず、電動昇降デスクの取り扱いがあるかどうかも分かりません。ニトリUP002は昇降範囲が公式ページに記載されていないため表から外しました。
なお、エルゴトロンのWorkFit-DとBauhutteの昇降デスクは、公式仕様を読むと電動ではありませんでした(手動またはガス式)。この記事の表には入れていません。